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そして、バトンは渡されたのあらすじ紹介
【起】そして、バトンは渡された
血の繋がらない父・森宮さんと二人で暮らす高校生の優子は、これまでに何度も苗字が変わる複雑な家庭環境で育ちました。
現在は「森宮優子」ですが、過去には「水戸」「田中」「泉ヶ原」と、親が次々と変わってきたのです。
そんな彼女は、卒業式の合唱でピアノ伴奏を任されますが、プレッシャーからうまく弾けずに悩んでいました。
同時に、同級生で天才ピアニストでもある早瀬くんに淡い恋心を抱き始めます。
一見すると明るく前向きな優子ですが、その胸の内には誰にも言えない秘密と、自身の数奇な運命に対する戸惑いが隠されていました。
優しくもどこか飄々とした森宮さんとの穏やかな日常と、彼女の複雑な過去が交錯しながら、物語の謎は静かに深まっていきます。
【承】そして、バトンは渡された
物語はもう一つの時間軸を映し出します。
それは、自由奔放で魅力的な女性・梨花の物語です。
彼女は、愛娘のみぃたんを連れて、次々と結婚と離婚を繰り返していました。
最初の夫であるエリートサラリーマンの水戸とは彼の海外赴任を機に別れ、次に年の離れた裕福な資産家・泉ヶ原と再婚します。
梨花はみぃたんに惜しみない愛情を注ぎ、彼女の将来を思ってピアノを習わせるなど、常に娘の幸せを第一に考えていました。
しかし、その行動は周囲から見ればあまりに奔放で理解しがたいものでした。
泉ヶ原の過干渉に耐えきれず家を出た梨花は、みぃたんを幸せにするための「最高のバトン」を渡す相手を探し続けていました。
彼女の破天荒な行動の裏には、実は切実な理由が隠されていたのです。
【転】そして、バトンは渡された
二つの物語が交錯する中、物語は衝撃的な転換点を迎えます。
梨花の奔放な行動の裏には、彼女が重い病を患い、自らの死期が近いことを悟っていたという悲しい真実がありました。
彼女が結婚を繰り返していたのは、遊びや気まぐれではなく、自分が亡くなった後に愛するみぃたんを託すことができる、最高の父親を見つけるためだったのです。
そして、数々の父親候補の中から彼女が最終的に選んだのが、最初の夫・水戸の同僚であった森宮さんでした。
森宮さんもまた妻を亡くした経験を持ち、その誠実で温かい人柄を梨花は見抜いていました。
梨花は、みぃたんの未来を森宮さんに託すと決め、彼の元にみぃたんを預けて自らは姿を消したのでした。
この瞬間、現在の優子が、かつてのみぃたんであったことが明らかになります。
【結】そして、バトンは渡された
全ての真実が繋がり、物語は感動の結末へと向かいます。
優子は、梨花が実の母親であり、自分「みぃたん」が彼女から森宮さんへと託された「バトン」であったことを知ります。
森宮さんは、梨花から預かっていた手紙を優子に手渡します。
そこには、なぜ優子を手放さなければならなかったのかという苦渋の決断と、娘への計り知れないほどの深い愛情が綴られていました。
母親の本当の想いを知った優子は、卒業式のピアノ伴奏で、梨花が大好きだった曲を見事に弾ききります。
それは、血の繋がりを超えて受け継がれた愛情のバトンを、音楽という形で未来へ繋ぐ感動的な瞬間でした。
早瀬くんとの恋も成就し、数多くの親たちから注がれた愛を胸に、優子は力強く新たな一歩を踏み出していくのでした。
そして、バトンは渡されたの感想
血の繋がりを超えた家族の愛という普遍的なテーマを、ミステリー仕立ての巧みな構成で描き切った傑作です。
二つの時間軸が最後に一つに収斂する脚本の見事さには、ただただ感嘆させられました。
特に、母親・梨花の全ての行動が娘への究極の愛であったと判明するクライマックスは、涙なくしては見られません。
梨花を演じた石原さとみさんの、天真爛漫な魅力と母としての悲壮感を両立させた演技は圧巻の一言です。
また、永野芽郁さんの繊細な感情表現、田中圭さんの掴みどころのない愛情深い父親像も作品に深みを与えています。
優子が卒業式でピアノを弾くシーンは、全ての愛情が昇華されるようで最も心に残りました。
鑑賞後は、温かい感動と共に、家族という形の多様性と愛の深さについて改めて考えさせられる、心に深く刻まれる一作です。
そして、バトンは渡されたのおすすめ理由
物語の構造が非常に巧みで、散りばめられた伏線が終盤に見事に回収されるカタルシスは格別です。
血縁だけが家族の形ではないという強いメッセージが、登場人物たちの生き様を通して観る者の心に深く突き刺さります。
石原さとみをはじめとする俳優陣のアンサンブルが素晴らしく、それぞれのキャラクターに感情移入し、共に泣き、共に温かい気持ちになれます。
ただ、原作の巧妙さを知っていると展開がやや読めてしまう可能性や、梨花の行動原理に感情移入できるか否かで評価が分かれる点を鑑み、満点ではなく4.2点としました。
しかし、それを差し引いても、多くの人の心を揺さぶるであろう感動的なヒューマンドラマであることは間違いありません。
そして、バトンは渡されたのその他情報
第45回日本アカデミー賞にて、石原さとみが優秀助演女優賞、永野芽郁が優秀主演女優賞を受賞するなど、俳優陣の演技が高く評価されました。
興行収入も好調を記録し、SNSや口コミを中心に「とにかく泣ける」「ラストの展開に驚いた」といった声が多数寄せられ、幅広い層から支持を集めたヒット作です。
物語の後半で明かされる真実が大きな感動を呼ぶ作品として、多くの観客の記憶に残る映画となりました。


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