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がんばっていきまっしょいのあらすじ紹介
【起】がんばっていきまっしょい
愛媛県松山市の伊予東高校に入学した篠村悦子(悦ネェ)が、憧れていたボート部に入部しようとするも男子部しかなく断られます。
諦めきれない悦ネェは女子ボート部の創設に奔走し、教師や幼なじみの協力も得て同好会として活動許可を得ますが、部員集めは難航します。
最終的に、学級委員長の菊池、元不良の中崎、重量挙げ部員の矢野、吹奏楽部員の中浦という、個性も背景もバラバラなメンバーが何とか集まります。
自らを「悦ネェ」と名乗り、彼女たちをまとめようとしますが、素人集団である彼女たちの前途は多難を極め、ぎこちない関係性のまま練習が始まるのでした。
【承】がんばっていきまっしょい
悦ネェを中心に、5人の女子高生たちは慣れないボートの練習に明け暮れます。
指導者もおらず、男子部員からは冷たい視線を浴びせられ、最初は息も合いません。
特に、元不良の中崎と真面目な菊池は度々衝突し、チームの雰囲気は最悪になります。
悦ネェはリーダーとして彼女たちの間を取り持とうとしますが空回りし、厳しい練習と人間関係の軋轢から中崎が部を辞めると言い出します。
しかし、悦ネェの必死の説得と、他のメンバーが中崎の抱える家庭の事情を理解したことで、彼女たちは再び心を一つにします。
夏の新人戦を目標に掲げ、ひたすら水上でオールを漕ぎ続け、徐々に一つのチームとして形を成していくのです。
【転】がんばっていきまっしょい
夏の新人戦、彼女たちは初めての公式試合に臨みます。
練習の成果を発揮しようと意気込みますが、経験不足は否めず、結果は惨敗に終わります。
この敗北は彼女たちに大きな挫折感と無力感をもたらし、特に誰よりも熱い思いで部を引っ張ってきた悦ネェは深く落ち込み、一時はボートを辞めることさえ考えます。
チーム内の雰囲気も再び険悪になり、解散の危機が訪れます。
しかし、この敗北こそが彼女たちを本当の意味で一つにする転機となりました。
それぞれが自分の弱さと向き合い、仲間の大切さを再認識します。
敗北の悔しさをバネに、彼女たちは「来年こそは全国へ」という新たな目標を共有し、再び立ち上がるのです。
この経験を通じて、彼女たちの絆はより強固なものへと変わっていきました。
【結】がんばっていきまっしょい
季節は巡り、彼女たちは高校最後の夏を迎え、インターハイの四国地区予選に挑みます。
厳しい練習を乗り越え心身ともに成長した5人は、予選で見事な漕ぎを披露し、かつてのライバル校とも互角に渡り合います。
レースの勝敗は明確には描かれませんが、レース後、疲れ果てながらも充実感に満ちた表情で互いを称え合う彼女たちの姿がありました。
結果がどうであれ、彼女たちは目標に向かって全力で駆け抜けた日々に、かけがえのない価値を見出していたのです。
卒業後、それぞれが新たな道へ進む中、大学のボート部に入部した悦ネェが再び「がんばっていきまっしょい!」と声を張り上げるラストシーンは、彼女たちの青春が終わらない挑戦の始まりであることを示唆し、爽やかな感動と共に物語の幕を閉じるのです。
がんばっていきまっしょいの感想
本作は、何かに無我夢中になることの尊さと、その過程で育まれる友情の美しさを描いた、日本の青春映画の金字塔です。
ただのスポ根物語ではなく、思春期の少女たちが抱える葛藤や劣等感、そしてそれを乗り越えて成長していく姿を丁寧に描き出すことで、普遍的なメッセージ性を獲得しています。
特に、磯村一路監督の演出は秀逸で、瀬戸内の穏やかで美しい風景を背景に、少女たちの汗と涙がきらめく映像美は圧巻です。
水面を滑るボートの躍動感や、オールが水をかく音までもが、彼女たちの心情を雄弁に物語っています。
主演の田中麗奈さんの、垢抜けないながらも生命力に満ちた瑞々しい演技は、主人公・悦ネェそのものであり、観る者の心を強く掴みます。
私が最も印象に残っているのは、惨敗を喫した後のミーティングで、悦ネェが涙ながらに「悔しい」と叫ぶシーンです。
この純粋な感情の爆発こそが、彼女たちを再び一つにする原動力となり、観る者の胸を熱くさせました。
鑑賞後は、何か新しいことに挑戦したくなるような、清々しく前向きな気持ちに包まれました。
がんばっていきまっしょいのおすすめ理由
普遍的な青春の輝きを、瀬戸内の美しい風景と共に瑞々しく描き切った傑作であるためです。
主演の田中麗奈をはじめとするキャスト陣の自然体な演技、派手さはないが心に響く脚本と演出、そして何より「がんばっていきまっしょい」という言葉に込められたポジティブなエネルギーが、時代を超えて観る者に感動と勇気を与えてくれます。
スポーツ経験の有無にかかわらず、誰もが自身の青春時代を重ね合わせ、共感できる物語の強度が高評価の理由です。
がんばっていきまっしょいのその他情報
第22回日本アカデミー賞で新人俳優賞(田中麗奈)を受賞したほか、キネマ旬報ベスト・テン日本映画第8位など、国内外で高い評価を獲得しました。
特に主演の田中麗奈の鮮烈なデビューは大きな話題となり、1990年代を代表する青春映画の一つとして、今なお多くのファンに愛され続けています。


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