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シン・ゴジラのあらすじ紹介
【起】シン・ゴジラ
東京湾アクアラインで謎の崩落事故が発生し、当初は海底火山と見られていましたが、内閣官房副長官の矢口蘭堂は巨大不明生物の可能性を唯一指摘します。
やがてその生物は巨大な尻尾を現し、第一形態として蒲田に上陸。
すぐさま二足歩行の第二形態へと進化し、品川を経由して都心部へと侵攻を開始します。
政府の対応は後手に回り、危機管理意識の欠如から楽観的な見通しが発表され続けます。
出動した自衛隊の攻撃ヘリも、民間人の避難が完了していないという理由で攻撃許可が下りず、ゴジラを前にして為す術がありません。
初動の遅れと縦割り行政の弊害が露呈し、被害は拡大の一途をたどるのです。
【承】シン・ゴジラ
活動を停止していたゴジラは、自己進化を遂げた完全な第四形態として再起動します。
その巨体から放たれる紫色の放射線流は、都心を一瞬にして焼き尽くし、迎撃に出た米軍のステルス爆撃機さえも容易く撃墜します。
さらに、ゴジラの攻撃は首相官邸を直撃し、総理大臣をはじめとする主要閣僚のほとんどが死亡、日本の政治中枢は完全に崩壊してしまいます。
この絶望的な状況下で、矢口をリーダーとする各省庁のはみ出し者たちで構成された「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」が組織されます。
彼らは残されたデータと知見を結集し、ゴジラの正体と弱点の解明に全力を注ぎ、対抗策を模索し始めます。
【転】シン・ゴジラ
巨災対の不眠不休の分析により、ゴジラが体内の原子炉でエネルギーを生成し、その冷却のために血液循環システムが機能していることが判明します。
このシステムに血液凝固剤を投入し、暴走させることでゴジラを機能不全に陥らせる「ヤシオリ作戦」が立案されます。
しかしその一方、国連安全保障理事会は、これ以上の被害拡大を防ぐため、ゴジラに対して熱核兵器(水爆)を使用することを決定。
作戦実行までのタイムリミットはわずか二週間と、日本に非情な選択が突きつけられます。
矢口たちは、首都に核が投下されるという最悪の事態を避けるため、自衛隊の総力を結集し、日本のインフラ全てを兵器として利用する前代未聞の作戦準備に奔走します。
【結】シン・ゴジラ
ついに「ヤシオリ作戦」が決行されます。
無人偵察機や在来線、新幹線を使った無人爆弾攻撃でゴジラのエネルギーを消耗させ、高層ビルを爆破してゴジラを転倒させることに成功します。
そして、コンクリートポンプ車部隊がゴジラの口内に血液凝固剤を注入しますが、ゴジラの抵抗により多大な犠牲を払います。
しかし、兵士たちの決死の覚悟と仲間たちの支援により、ついに薬剤の大量経口投与に成功。
ゴジラは体内で急速な冷却が始まり、巨大なモニュメントのように完全に凍結し、活動を停止させました。
東京への核攻撃は寸前で回避され、日本は滅亡の危機から救われます。
しかし、凍結したゴジラの尻尾の先端には、人型の生物が生まれ出ようとする不気味な光景が映し出されており、人類はこの「神」と共存していくしかないという重い現実を突きつけられて物語は幕を閉じるのです。
シン・ゴジラの感想
本作は、単なる怪獣パニック映画の枠を遥かに超えた、現代日本社会への鋭い風刺と警鐘を鳴らす傑作です。
3.11という未曾有の国難を経験した日本が、もし再び「想定外」の危機に直面したらどうなるのか。
その問いに対する一つの答えを、庵野秀明監督は徹底的なリアリティをもって描き切りました。
特徴的なのは、膨大な情報量と早口で展開される会議シーンの連続です。
これは縦割り行政や机上の空論が続く日本の官僚機構への痛烈な批判でありながら、その中で奮闘する名もなき人々への賛歌でもあります。
主演の長谷川博己氏の熱演は、困難に立ち向かう日本の良心を体現していました。
鷺巣詩郎氏による荘厳かつ不気味な音楽と、絶望の象徴として描かれるゴジラの圧倒的な映像美は、観る者に強烈なインパクトを残します。
特に、紫色の光を放ちながら放射線流を吐くシーンは、美しさと恐怖が同居する本作のハイライトと言えるでしょう。
最終的に「ヤシオリ作戦」で人々が団結し、知恵と勇気で危機を乗り越える姿には、深い感動とカタルシスを覚えました。
これは、怪獣映画というフィクションを通して、日本の「今」と「未来」を問う、社会派ドキュメンタリーとも呼べる作品です。
シン・ゴジラのおすすめ理由
従来の怪獣映画の枠組みを破壊し、ゴジラを「天災」や「人災」のメタファーとして描き切った点に、まず最大の敬意を表します。
徹底的なリサーチに基づく政治・行政・自衛隊のリアルな描写は、フィクションでありながらドキュメンタリーのような緊迫感を生み出し、庵野監督特有の情報量の多い演出と相まって唯一無二の鑑賞体験を提供しています。
3.11以降の日本が抱える問題を真正面から描きつつ、エンターテインメントとしても極上のカタルシスを用意している脚本の見事さ。
これら全てが融合し、邦画史に残る傑作となっているため、満点に近い評価としました。
シン・ゴジラのその他情報
第40回日本アカデミー賞において、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀撮影賞など主要部門を含む最多7冠を達成しました。
興行収入は82.5億円を記録し、2016年の実写邦画興行収入第1位となる大ヒットを記録。
「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」というキャッチコピーと共に社会現象を巻き起こし、そのリアルな描写から政治家や官僚、自衛隊関係者など各界からも多くの言及や分析がなされるなど、映画の枠を超えた評価を得ました。


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