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インフェルノのあらすじ紹介
【起】インフェルノ
高名な宗教象徴学者ロバート・ラングドンは、イタリア・フィレンツェの病院で頭部に傷を負い、記憶喪失の状態で目覚めます。
担当医のシエナ・ブルックスに助けられますが、謎の女性暗殺者ヴァエンサの襲撃を受け、彼女と共に病院を脱出します。
自身の所持品から、ダンテの『神曲』地獄篇(インフェルノ)を基にしたボッティチェリの「地獄の見取り図」に暗号が隠された小型プロジェクターを発見します。
ラングドンは自分がなぜ追われているのか、この暗号が何を示すのか全く分からないまま、断片的な地獄の幻覚に苦しみながら、シエナを唯一の頼りとして命がけの謎解きに巻き込まれていくのです。
この危機は、億万長者の生化学者バートランド・ゾブリストが人類を救うという大義名分のもとに計画した、恐ろしいウイルステロの序章に過ぎませんでした。
【承】インフェルノ
ラングドンとシエナは「地獄の見取り図」に隠されたアナグラム「cerca trova(探せ、されば見つからん)」を手掛かりに、ヴェッキオ宮殿へと向かいます。
宮殿内で追手から逃れつつ、ダンテのデスマスクに新たな暗号が隠されていることを突き止めますが、デスマスクはすでに盗まれた後でした。
ラングドンは世界保健機関(WHO)の旧知の仲であるエリザベス・シンスキーに助けを求めようとしますが、彼女が自分を追う組織のトップであることを知り、愕然とします。
さらに、ラングドンを執拗に追う謎の組織「コンソーシアム」の存在も明らかになり、誰が敵で誰が味方なのか全く分からない混沌とした状況に陥ります。
追われる身でありながらも、ラングドンは自身の専門知識を駆使して、人口過密による人類滅亡を防ぐというゾブリストの計画の核心へと少しずつ迫っていきます。
【転】インフェルノ
デスマスクの在処を追ってヴェネツィア、そしてイスタンブールへと舞台を移したところで、物語は最大の転換点を迎えます。
これまでラングドンの協力者だと思われていた医師シエナ・ブルックスこそが、実は亡きゾブリストの恋人であり、彼の思想を信奉し、ウイルス「インフェルノ」を拡散させて計画を完遂させようとする真の黒幕だったのです。
彼女は記憶を失ったラングドンを利用して、ウイルスの隠し場所を突き止めようとしていたのでした。
ラングドンを追っていたWHOや、コンソーシアムの代表ハリー・シムズは、ウイルスの拡散を阻止するために行動していたことが判明します。
ラングドンはシエナに裏切られ、ウイルスの隠し場所がイスタンブールの地下宮殿(バシリカ・シスタン)であることを彼女に知られてしまい、絶体絶命の窮地に立たされることになります。
【結】インフェルノ
物語のクライマックスは、壮麗かつ不気味なイスタンブールの地下宮殿で繰り広げられます。
シエナは、ゾブリストが開発した、感染すると人類の半数を不妊にするウイルス「インフェルノ」を、水中に仕掛けたプラスチックバッグを爆破することで世界中に拡散させようとします。
ラングドンは、これまで敵対していたWHOのシンスキーやコンソーシアムのシムズと協力し、人類の未来をかけた最終決戦に挑みます。
激しい攻防の末、シムズは命を落としますが、ラングドンたちの尽力で起爆は阻止されます。
追い詰められたシエナは自爆してウイルスを飛散させようとしますが、それも間一髪で防がれ、ウイルスはWHOによって安全に確保されました。
事件解決後、ラングドンはシンスキーとの過去の関係に一つの区切りをつけ、盗まれていたダンテのデスマスクをフィレンツェの然るべき場所に戻し、静かに日常へと帰っていくのでした。
インフェルノの感想
本作は、人口爆発という極めて現代的な問題を背景に「人類を救うための犠牲は許されるのか」という重いテーマを突きつけてきます。
ゾブリストの思想は狂気ですが、その問題提起自体は無視できず、単純な勧善懲悪では終わらない深みがありました。
フィレンツェやイスタンブールの歴史的建造物を駆ける追跡劇は、荘厳な映像美とサスペンスが見事に融合しており、特にラングドンが見る地獄の幻覚は鮮烈な印象を残す見事な演出です。
記憶を失いながらも卓越した知性を滲ませるトム・ハンクスの演技は流石の一言で、知的で献身的な協力者から狂信者へと変貌するフェリシティ・ジョーンズの豹変ぶりには息を呑みました。
最も印象に残ったのは、シエナが本性を現すシーンで、それまでの信頼が崩れ去る瞬間の衝撃は物語の緊張感を一気に高めました。
知的好奇心をくすぐる謎解きに興奮しつつも、人類が直面する課題の重さに考えさせられ、鑑賞後も複雑な余韻に浸れる作品です。
インフェルノのおすすめ理由
シリーズの魅力である史跡を巡る謎解きは健在で、特にフィレンツェからイスタンブールへと展開する壮大なスケールは圧巻です。
ラングドンの見る幻覚といったホラーテイストや、信頼していた協力者が黒幕だったというサスペンスフルな大どんでん返しは、これまでのシリーズにはない新鮮な刺激を与えてくれました。
しかし、過去2作と比較すると、謎解きの論理的な緻密さや知的興奮がやや後退し、アクションシーンの比重が高まった印象は否めません。
また、敵役ゾブリストの思想や背景の掘り下げがやや浅く、彼の行動原理に感情移入しにくい点が作品の深みを少し削いでいるように感じられました。
そのため、シリーズ最高傑作とは言い難いものの、手に汗握るエンターテイメント大作としては十分に楽しめる水準にあると判断し、この評価としました。
インフェルノのその他情報
本作は「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続く、ダン・ブラウン原作、ロン・ハワード監督、トム・ハンクス主演のシリーズ第3弾として世界的に公開されました。
しかし、批評家からのレビューは賛否両論であり、世界興行収入も前2作には及ばない結果となりました。
特に目立った映画賞の受賞歴はありませんが、トム・ハンクス演じるロバート・ラングドン教授のキャラクター人気は根強く、ヨーロッパの美しいロケーションを活かした映像や、スリリングな物語展開は多くの観客から支持されています。
原作小説とは結末が大きく異なるため、原作ファンと映画ファンで評価が分かれる傾向もあります。


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