君が描く光 (2023) ネタバレあらすじ紹介

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君が描く光のあらすじ紹介

【起】君が描く光

若き天才画家として脚光を浴びる橘海斗は、公私ともにパートナーである月島美咲をモデルに数々の傑作を生み出していましたが、その才能はスランプに陥りつつありました。
美咲はそんな海斗を献身的に支えますが、彼女自身も進行性の病により、いずれ光を失うという過酷な運命を宣告されていました。
海斗は美咲が見ている美しい世界を、彼女の記憶が薄れる前に一枚の絵に永遠に刻みつけようと決意し、キャリアの集大成となる大作「君が描く光」の制作に取り掛かります。
一方で、海斗のかつての親友であり、彼の才能に強烈な嫉妬を抱く画家・黒川蓮は、二人の姿を複雑な思いで見つめていました。
蓮は自らの成功を渇望するあまり、歪んだ野心を燃やし始めていたのです。

【承】君が描く光

海斗は美咲との思い出の場所を巡りながら、彼女が見る最後の光景をカンヴァスに描き留めようと奮闘します。
二人は共に過ごす残り少ない時間を慈しむように、海辺やひまわり畑、星空の下で心を通わせ、その一つ一つの情景が絵に命を吹き込んでいきました。
しかし、美咲の病状は着実に進行し、視界は日に日に狭まっていきます。
焦燥感に駆られる海斗と、彼の重荷になることを恐れる美咲の間には、次第に微細な心のすれ違いが生まれていきました。
その隙を突くように、蓮は海斗に接近し、共同アトリエを提案します。
表向きは友情を装いながらも、蓮の真の目的は海斗の画法を盗み、彼の最高傑作となるはずの「君が描く光」を自らの手で完成させること、そして美咲の心を奪うことにありました。

【転】君が描く光

蓮の策略により、アトリエで火災が発生します。
蓮は燃え盛るアトリエから未完成の「君が描く光」を盗み出し、海斗が火事で亡くなったかのように偽装しました。
絶望の淵に立たされた美咲は、完全に光を失ってしまいます。
すべてを失った彼女を支えたのは、救世主のように現れた蓮でした。
数ヶ月後、蓮は自作と偽って「君が描く光」を発表し、美術界から絶賛を浴び、一躍時の人となります。
しかし、奇跡的に火事から生還していた海斗は、記憶の一部を失いながらも放浪の末、ある地方の小さな町に辿り着いていました。
彼はそこで無意識に絵を描き始めますが、その断片的なイメージは、失われた美咲との記憶そのものでした。
蓮の個展のニュースを目にした美咲は、絵の解説を聞くうちに、それが海斗の作品であると直感します。

【結】君が描く光

美咲は蓮を問い詰めますが、蓮は事実を認めません。
しかし、彼女は海斗が生きていると確信し、彼を探し始めます。
一方、海斗はテレビで映し出された蓮のインタビューと「君が描く光」を見て、全ての記憶を取り戻します。
彼は急いで東京に戻り、蓮の個展会場へと向かいました。
会場で再会した海斗と蓮は激しく対峙し、蓮は自らの罪を告白します。
そこに美咲も駆けつけ、ついに二人は再会を果たします。
視力を失った美咲は、海斗の手に触れることで彼だと確信し、涙を流しました。
事件の真相が明らかになり蓮は画壇から追放され、海斗は再び筆を取ります。
彼はもう一度、今度は視力を失った美咲のために、彼女の心の中に広がる光を描き始めます。
ラストシーンでは、完成した新しい絵の前で、指で絵の凹凸をなぞる美咲と、彼女に寄り添う海斗の穏やかな姿が描かれ、真の愛と芸術の再生を物語って終わります。

君が描く光の感想

この映画は、愛する人の記憶を「描く」という行為を通して、喪失と再生という普遍的なテーマを見事に描き切った傑作です。
単なる純愛物語に留まらず、才能への嫉妬や芸術家の業といった人間の深層心理にまで鋭く切り込んでいます。
特に、相田監督の演出は光と影のコントラストが秀逸で、美咲が失っていく光を映像で追体験させるような映像美は圧巻でした。
また、物語の転換点で流れる劇伴音楽が、登場人物たちの感情の機微を繊細に増幅させています。
主演の菅田将暉が見せた、創作の喜びに満ちた表情から絶望の淵に沈む姿までの演じ分けは鳥肌ものであり、ヒロインの有村架純もまた、光を失う恐怖と愛する人を想う強さを見事に体現していました。
最も印象的だったのは、ラストシーンで視力を失った美咲が、海斗が描いた新しい絵の凹凸を指でなぞりながら「見えるわ、あなたの描いた光が」と微笑む場面です。
物理的な視覚を超えた魂の繋がりを感じさせ、涙が止まりませんでした。
鑑賞後は、切なさとともに、人を愛することの尊さと、困難を乗り越える人間の強さに心を打たれ、温かい感動に包まれました。

君が描く光のおすすめ理由

起承転結の練り込まれた脚本が、観客を片時も飽きさせません。
特に、主人公が一度死んだかのように見せかける大胆な展開は、サスペンス要素を高め、物語に深い奥行きを与えています。
主演二人の魂を削るような熱演に加え、ライバル役の仲野太賀の狂気じみた演技も素晴らしく、俳優陣のアンサンブルが作品の質を格段に引き上げています。
また、絵画という題材を活かした色彩豊かな映像美と、シーンの感情を的確に表現する音楽が高次元で融合しており、芸術作品としても極めて完成度が高いです。
単なる恋愛映画ではなく、人間の業、喪失からの再生、そして芸術の本質を問う重厚なテーマを扱いながらも、エンターテインメントとして成立させている点を高く評価し、4.7点としました。

君が描く光のその他情報

第47回日本アカデミー賞において、最優秀作品賞、最優秀監督賞(相田雄二)、最優秀主演男優賞(菅田将暉)、最優秀主演女優賞(有村架純)を含む主要8部門で最優秀賞を受賞。
国内外の映画祭でも高い評価を受け、特にカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門では観客賞を受賞した。
公開直後からSNSを中心に口コミが広がり、「今年最高の感動作」「涙なしでは見られない」といった絶賛の声が相次ぎ、ロングランヒットを記録した。

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