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月の満ち欠けのあらすじ紹介
【起】月の満ち欠け
愛する妻・梢(柴咲コウ)と娘・瑠璃を不慮の事故で亡くし、平穏な日常を奪われた小山内堅(大泉洋)のもとに、ある日、三角哲彦(目黒蓮)と名乗る男が訪ねてきます。
三角は、事故当日に堅の娘が会いに来ていたこと、そして彼女はかつて自分が愛した「正木瑠璃」(有村架純)という女性の生まれ変わりだったのではないかと、にわかには信じがたい話を語り始めます。
堅はその突拍子もない話を一蹴し三角を追い返しますが、この奇妙な訪問をきっかけに、娘の死に隠された謎と、時を超えた愛の物語の真相を探り始めることになるのです。
堅の止まっていた時間は、この不可解な出来事によって再び動き出し、数奇な運命の核心へと引き寄せられていきます。
【承】月の満ち欠け
堅は、三角の言葉の真偽を確かめるため、娘・瑠璃の遺品を整理し、彼女の足跡をたどり始めます。
すると、娘が自分に隠していた数々の秘密が明らかになっていきます。
娘が大切にしていた古いレコード、訪れていた場所、そして友人関係。
それらは全て、三角が語る過去の女性「正木瑠璃」との不思議な共通点を示していました。
並行して、1980年代を舞台に、大学生の三角と人妻である正木瑠璃の許されない恋が描かれます。
瑠璃は夫・正木竜之介(田中圭)からのDVに苦しみながらも、三角との逢瀬に安らぎを見出していました。
堅は調査を進めるほどに、自分の知らなかった娘の姿と、彼女が抱えていた切ない想いの深さに直面し、混乱と苦悩を深めていくのです。
【転】月の満ち欠け
物語はついに核心へと迫り、全ての謎が繋がっていきます。
正木瑠璃は夫から逃げる途中で命を落とし、その魂は、次に緑坂ゆい(伊藤沙莉)という少女に宿り、そして最終的に小山内堅の娘・瑠璃として生まれ変わっていたことが判明します。
彼女たちは皆、前世の断片的な記憶に導かれ、愛する三角哲彦にもう一度会うことを強く願っていたのです。
堅の娘が事故に遭ったのも、三角に会うために約束の場所へ向かっていたからでした。
さらに衝撃的な事実として、堅の妻・梢こそが、かつて三角の親友であり、彼の恋の全てを知る唯一の人物だったことが明かされます。
梢は、親友の恋を成就させるため、そして生まれ変わった瑠璃を再び三角に巡り会わせるため、運命の案内人としての役割を密かに果たしていたのです。
【結】月の満ち欠け
全てのパズルのピースがはまり、妻と娘が自分に隠していた壮大な愛の物語の全貌を知った堅は、深い悲しみとともに、時を超えて続く魂の絆を受け入れます。
彼はもはや三角の話を疑うことなく、娘の強い想いを理解し、その遺志を継ぐことを決意します。
ラストシーンで堅は、三角と共に、瑠璃の魂が次に生まれ変わったとされる少女に会いに行きます。
その少女は、初対面のはずの三角を見て「三角さん」と呼びかけ、再び巡り会う運命を暗示させます。
愛する者を失った喪失感を乗り越え、死は終わりではなく、愛は永遠に巡るという真理にたどり着いた堅の姿は、静かな感動を呼びます。
月の満ち欠けのように繰り返される輪廻と、決して消えることのない愛の奇跡を描ききり、物語は希望の光と共に幕を閉じるのです。
月の満ち欠けの感想
輪廻転生という壮大なテーマを通じて、時を超えて貫かれる愛の強さと奇跡を描いた本作には、心を深く揺さぶられました。
現代の小山内堅のパートと、80年代の三角と瑠璃のパートが交錯しながら、徐々に謎が解き明かされていく脚本構成は見事です。
特に、月の光や雨、駅のホームといった象徴的なモチーフを効果的に用いた映像美が、物語の幻想的で切ない雰囲気を際立たせていました。
何より、愛する家族を失った男の悲哀と再生を見事に体現した大泉洋さんの抑制の効いた演技は圧巻で、彼の新境地と言えます。
また、儚さと意志の強さを両立させた有村架純さん、一途な青年を瑞々しく演じた目黒蓮さんの存在感も光っていました。
全ての事実が明らかになり、妻・梢の隠された想いが判明するシーンは、物語最大のカタルシスがあり鳥肌が立ちました。
観終えた後には、愛する人を思う気持ちの尊さ、そして運命の不思議さに、切なくも温かい感動に包まれました。
月の満ち欠けのおすすめ理由
ファンタジー的な設定でありながら、それを人間ドラマとして見事に着地させた脚本と演出の手腕を高く評価します。
特に、複雑な時間軸と人間関係を観客に混乱させることなく、徐々に解き明かしていく構成力は秀逸です。
また、コメディのイメージが強い大泉洋さんが見せる、深みのあるシリアスな演技は本作の最大の魅力であり、彼のキャリアにおける代表作の一つと言えるでしょう。
有村架純さん、目黒蓮さんの切ない恋模様も観る者の心を掴みます。
ただ、物語の構造が複雑であるため、一度観ただけでは全ての伏線を理解するのが難しいと感じる観客もいる可能性を考慮し、満点から僅かに引いた4.2点としました。
月の満ち欠けのその他情報
第46回日本アカデミー賞にて、有村架純が優秀助演女優賞を、目黒蓮が優秀助演男優賞および新人俳優賞を受賞するなど、俳優陣の演技が国内外で高く評価されました。
特に目黒蓮の受賞は大きな話題を呼びました。
興行収入も10億円を超えるヒットを記録し、原作小説ファンのみならず、多くの映画ファンの心を掴み、「泣ける」と口コミで評判が広がるなど、商業的にも批評的にも成功を収めた作品です。


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