マギー (2015) ネタバレあらすじ紹介

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マギーのあらすじ紹介

【起】マギー

世界に壊死性ウイルスが蔓延し、感染者は徐々にゾンビへと変貌していく近未来が舞台です。
農夫のウェイド・ヴォーゲルは、家出していた娘のマギーが腕を噛まれてウイルスに感染し、病院に隔離されているとの連絡を受けます。
彼はすぐに病院へ駆けつけ、日に日に人間性を失っていく娘を自宅に連れ帰ることを決意します。
医師からは、マギーが完全に「転化」する前に、感染者を強制収容する隔離施設へ送るか、あるいは「選択」をするようにと告げられます。
これは事実上の安楽死を示唆しており、ウェイドは残された僅かな時間を娘と共に過ごすため、苦渋の決断を下し、マギーを自宅の農場へ連れ帰るのでした。
こうして、父と娘の残酷で愛情に満ちた最後の日々が静かに始まります。

【承】マギー

自宅に戻ったマギーの病状は、日を追うごとに着実に悪化していきます。
嗅覚が異常に鋭敏になり、人間の食べ物を受け付けなくなり、噛まれた腕の傷口は黒く腐敗し、その範囲を広げていきました。
父ウェイドは献身的に娘を介護しますが、日に日に人間らしさを失っていくマギーの姿に、どうすることもできない絶望と無力感を深めていきます。
ウェイドの妻でありマギーの継母であるキャロラインは、自分たちの幼い子供たちを感染の恐怖から守るため、涙ながらに家を出ていき、父と娘は社会からも家族からも孤立を深めていきます。
地元の保安官も度々訪れ、マギーを隔離施設へ送るよう法に基づいた警告を繰り返しますが、ウェイドは娘を最後まで自分の手で守り抜こうと抵抗するのでした。

【転】マギー

マギーの病状は、ついに転化の最終段階へと進みます。
彼女は夜中に無意識に家を徘徊し、生きた動物の匂いに強く惹かれるようになり、ついには森で捕らえたキツネを貪り食ってしまうのでした。
ある夜、父ウェイドの腕に噛みつこうとする衝動に駆られますが、かろうじて残った理性でその行動を抑え込みます。
しかし、この出来事によって、マギーもウェイドも、もはや彼女が自分をコントロールできないことを悟ります。
保安官からは、翌朝までにマギーを施設に引き渡すよう最後通告が下され、ウェイドは究極の選択を迫られます。
彼はショットガンを手に取り、マギーを隔離施設で苦しませるのではなく、自らの手でその苦しみから解放することを決意します。
しかし、娘の顔を前にしてどうしても引き金を引くことができず、涙ながらに銃を下ろしてしまうのでした。

【結】マギー

最終的な決断を下したのは、父ではなく娘のマギー自身でした。
彼女は、愛する父にこれ以上辛い思いをさせたくない、そして人間としての尊厳を完全に失う前に自らの人生に幕を引くことを選びます。
父が眠っている隙に、彼女は幼い頃の思い出が詰まった家の屋上へと静かに向かいます。
そこから見える朝日が昇る美しい景色を最後に目に焼き付け、亡き母が好きだったヒナギクの花畑を思い浮かべながら、静かに屋上から身を投げます。
物音で目を覚ましたウェイドが駆けつけた時、そこにはもうマギーの姿はありませんでした。
彼は娘が自ら下した悲痛な決断を悟り、絶望の中で慟哭します。
愛する娘を失い、静まり返った家で一人佇むウェイドの姿を映し出し、この悲しい父娘の物語は幕を閉じるのでした。

マギーの感想

本作は、ゾンビという設定を巧みに利用し、愛する家族が不治の病で徐々に失われていく過程を見守る者の苦悩と、当事者の尊厳という普遍的なテーマを見事に描き出したヒューマンドラマです。
全編を覆う抑えた色調の映像とミニマルな音楽が、終末世界の静かな絶望感と登場人物の心象風景を際立たせていました。
特筆すべきは、アクションスターのイメージを完全に覆したアーノルド・シュワルツェネッガーの演技です。
彼はセリフに頼らず、苦悩に歪む表情や沈黙、そして震える手で、娘を想う父親の深い愛と悲しみを完璧に表現していました。
最も印象に残ったのは、父に引き金を引かせるという最大の苦痛を与えず、自らの尊厳を守るためにマギーが最期の決断を下すラストシーンです。
鑑賞中、ひたすらに悲しく切ない感情に支配されますが、鑑賞後には重い余韻と共に、愛の形とその尊さについて深く考えさせられる作品でした。

マギーのおすすめ理由

ゾンビ映画特有のパニックやスリルを期待すると完全に裏切られますが、静謐な人間ドラマとして観れば非常に優れた作品です。
アーノルド・シュワルツェネッガーが、これまでのイメージを覆すシリアスな父親役を、深みのある演技で体現している点は特筆に値します。
彼の苦悩に満ちた表情は、セリフ以上に雄弁に物語を語っています。
しかし、物語の展開は非常に遅く、全体的に重苦しい雰囲気が続くため、エンターテインメント性を求める観客には退屈に感じられる可能性が高いです。
この、観る人を選ぶ作風と、ドラマとしての質の高さを総合的に評価し、この点数としました。

マギーのその他情報

大きな映画賞の受賞歴はありませんが、2015年のトライベッカ映画祭でプレミア上映されるなど、インディペンデント映画として一定の評価を得ました。
特にアーノルド・シュワルツェネッガーのキャリアにおいて、新境地を開いた繊細な演技は多くの評論家から称賛されました。
一方で、ゾンビ映画としての斬新さの欠如や、物語の遅いテンポに対しては賛否が分かれる評価となっています。

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