おしょりん (2023) ネタバレあらすじ紹介

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おしょりんのあらすじ紹介

【起】おしょりん

明治時代、豪雪地帯である福井の足羽郡麻生津村で、増永五左衛門と弟の幸八は、村の将来を案じ、新たな産業として眼鏡作りを始めることを決意します。
しかし、二人には知識も経験も全くなく、見よう見まねで始めた眼鏡作りは失敗の連続でした。
五左衛門の妻むつは、家計を支えるために内職に励みながら、夫たちの無謀とも思える挑戦を静かに、そして力強く支え続けます。
周囲からは冷ややかな目で見られ、事業の将来性を危ぶむ声が上がる中、兄弟は事業を本格化させるため、大阪から眼鏡職人の中条を技術指導者として高給で招き入れるという大きな賭けに出ます。
この決断が、彼らの運命を大きく左右する第一歩となるのでした。

【承】おしょりん

福井にやってきた職人の中条は、当初、増永兄弟に核心的な技術を教えようとせず、彼らの本気度を試すかのように厳しい態度をとり続けます。
しかし、五左衛門の揺るぎない情熱と、彼を信じて疑わない妻むつの献身的な姿に心を動かされ、次第に本格的な技術指導を開始します。
特に困難を極めたのは、レンズを手作業で研磨する工程でした。
資金も底を突きかけ、弟の幸八は何度も心が折れそうになりますが、五左衛門の諦めない姿勢と、むつが自分の着物を売ってまで工面した資金が彼らを奮い立たせます。
村人たちも、最初は懐疑的でしたが、彼らのひたむきな努力を目の当たりにし、少しずつ協力的な姿勢を見せ始め、工房には希望の光が差し込み始めます。

【転】おしょりん

幾多の困難を乗り越え、増永兄弟はついに自分たちの手で眼鏡を完成させます。
大きな期待を胸に、完成品を大阪の問屋へ持ち込みますが、そこで待っていたのは「品質が基準に満たない」という無慈悲な評価でした。
販路を絶たれた彼らに追い打ちをかけるように、指導者であった中条も「これ以上は無理だ」と見切りをつけ、福井を去ってしまいます。
最大の協力者と販路を同時に失い、多額の借金だけが残された五左衛門は完全に打ちのめされ、村民たちの前で事業の失敗を認め、土下座して謝罪します。
絶望のどん底に突き落とされた五左衛門に対し、妻のむつは、家の前で雪をかく農具「おしょりん」を手に取り、粘り強く雪をかき分けるように、諦めずにやり続けることの大切さを説き、彼の心を激しく揺さぶるのでした。

【結】おしょりん

妻むつの「おしょりん」の精神を説く力強い言葉に魂を吹き込まれた五左衛門は、再び立ち上がることを決意します。
彼の再起に、一度は離れかけた幸八や、これまで静観していた村人たちも心を動かされ、今度は村全体が一体となって眼鏡作りを支援する体制が築かれます。
失敗の経験を糧に、彼らは独自の研磨機を開発するなど工夫を重ね、ついに大阪の問屋も認める高品質な眼鏡の量産に成功します。
この成功が礎となり、福井は日本最大の眼鏡産地へと発展していくことになります。
物語のラスト、五左衛門とむつは、自分たちの作った眼鏡が人々の暮らしを豊かにしている未来を想い、これまでの苦難の日々を振り返りながら、静かな達成感と幸福に包まれるのでした。
彼らの不屈の挑戦が、未来を切り開いたのです。

おしょりんの感想

日本のものづくりの原点にある、逆境に屈しない人間の力強さを描いた傑作です。
本作のテーマである「おしょりん(粘り強さ)」という精神、そして人を信じ支え続ける愛の尊さが、物語全体を貫き、深い感動を与えてくれました。
明治時代の福井の厳しい自然や、手作業での眼鏡作りの工程を丹念に再現した映像は非常に見応えがあり、脚本も奇をてらうことなく、実直に人々の心の機微を追っています。
特に、夫を健気に、しかし芯の強さを持って支え続けた妻むつを演じた北乃きいさんの演技は圧巻でした。
彼女が絶望する夫に「おしょりんや」と語りかけるシーンは、本作の魂であり、涙なしには見られません。
鑑賞後、明日を生きる勇気と希望をもらえる、温かくも力強い感情に満たされました。

おしょりんのおすすめ理由

普遍的で心に響くテーマ、実話に基づいた説得力のある物語、そして何よりも俳優陣の魂のこもった演技が高次元で融合しているためです。
特に主演の北乃きいさんと森崎ウィンさん、小泉孝太郎さんが演じる三者三様の苦悩と希望の表現は見事です。
日本のものづくりの精神や、地方創生の原点を知る上でも価値があり、観る人を選ばない感動を与えてくれます。
鑑賞後に前向きな気持ちになれる、教育的価値とエンターテインメント性を兼ね備えた稀有な作品だと感じ、4.5という高い評価を付けました。

おしょりんのその他情報

第47回日本アカデミー賞において、北乃きいが優秀主演女優賞、森崎ウィンが優秀助演男優賞を受賞するなど、俳優陣の演技が高く評価されました。
また、作品の舞台となった福井県では異例の大ヒットを記録し、地域に根差した映画製作の成功例として大きな注目を集めました。
観客からは「日本の誇るべきものづくり精神に感動した」「家族や仲間との絆の大切さを再認識した」といった共感の声が多数寄せられ、口コミで評判が広まった作品です。

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