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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のあらすじ紹介
【起】あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
現代の女子高生・百合が、母親との関係や進路に悩み、家出します。
防空壕で眠ってしまった彼女が目を覚ますと、そこは1945年の戦時中の日本でした。
途方に暮れる百合を助けたのは、特攻隊員の彰でした。
彰の優しさに触れ、百合は彼が経営する食堂「鶴屋食堂」に身を寄せ、女将のツルや他の隊員たちと共に生活を始めます。
最初は現代との価値観の違いに戸惑い、元の時代に帰りたいと願う百合でしたが、彰や周りの人々の温かさに触れるうち、次第にこの時代の生活に馴染んでいきます。
彰が特攻隊員であるという過酷な現実を知りつつも、二人の間には淡い恋心が芽生え始めるのでした。
【承】あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
百合は彰や、彼と同じ特攻隊員である石丸、板倉、寺岡、加藤たちと交流を深めていきます。
彼らがいつ出撃命令が下るかわからない状況で、それでも明るく未来を語り、懸命に生きる姿に百合は心を打たれます。
特に彰は、百合の未来の話を楽しそうに聞き、彼女の存在そのものが生きる希望であるかのように接します。
百合は彰に惹かれる一方で、彼が特攻で命を落とす運命にあることを知っているため、どうにかして彼を救いたいという強い思いに駆られます。
食堂での日々は穏やかに過ぎていきますが、戦況の悪化を知らせるニュースや空襲警報が、彼らの日常に死の影を落としていました。
百合は歴史を変えて彰を救うことはできないかと葛藤しますが、その無力さに苦しむのでした。
【転】あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
彰の出撃命令が刻一刻と迫る中、百合は彰に「生きてほしい」と必死に訴えます。
しかし、彰は仲間や国を守るという使命感から、その運命を受け入れようとします。
そんな中、彰の親友である石丸が出撃し、戦死してしまいます。
親友の死を目の当たりにした彰は、悲しみに暮れながらも自らの覚悟を固めます。
百合は、彰に未来で彰の子孫に会ったという嘘をつき、彼を生かそうと試みます。
しかし、彰はその嘘を見抜きながらも、百合の想いを受け止めます。
出撃前夜、彰は百合に「君と出会えたことが、僕の人生の一番の幸せだ」と伝え、二人は互いの気持ちを確かめ合います。
そして、百合は彰が描いた満開の百合の花の絵を受け取り、彼の出撃を見送るしかないのでした。
【結】あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
彰が出撃した後、百合は大きな空襲に巻き込まれます。
気を失った彼女が再び目を覚ますと、そこは元の時代の防空壕でした。
現代に戻った百合は、失意の中で図書館へ向かい、特攻で亡くなった人々の名簿を調べます。
そこに彰の名前はなく、彼は天候不良で基地に引き返し、終戦まで生き延びたことを知ります。
そして、彰が戦後、絵の才能を活かして画家となり、百合との思い出の丘の絵を描き続け、生涯を終えたことを知るのでした。
美術館でその絵を見た百合は、年老いた彰の弟と出会い、彼から彰がずっと百合を想い続けていたことを聞かされます。
百合は、彰が自分のために生きてくれたことを知り、涙ながらに感謝します。
そして、自分も前を向いて生きていくことを誓い、物語は幕を閉じます。
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。の感想
この映画は、戦争の悲劇性という普遍的なテーマを、現代の若者の視点を通して描くことで、平和の尊さを改めて強く訴えかける作品でした。
特に、特攻という極限状況の中で育まれる純粋な愛の物語は、観る者の胸を激しく揺さぶります。
演出面では、戦時中の日本の風景や人々の暮らしを丁寧に再現した映像美が素晴らしく、福山雅治さんが歌う主題歌「想望」が物語の感動をより一層深いものにしていました。
主演の福原遥さんと水上恒司さんの演技は特筆すべきで、特に水上さんが演じた彰の、死を覚悟しながらも百合への愛に生きる姿は、凛とした強さと儚さを見事に表現しており、深く心に残りました。
最も印象的だったのは、彰が出撃前に百合に渡す百合の花の絵のシーンです。
彼の全ての想いが込められたその絵は、言葉以上の愛を伝えていました。
鑑賞後は、ただ悲しいだけでなく、彼らが懸命に生きた証を受け取り、今を大切に生きようという温かい希望と切ない感動に包まれました。
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のおすすめ理由
王道の恋愛物語の骨格を持ちながら、戦争の理不尽さと平和の尊さという重いテーマを真正面から描き、幅広い観客の心に響く力を持っている点を高く評価しました。
特に、死を覚悟した特攻隊員の凛とした佇まいと内に秘めた優しさを体現した水上恒司の演技は圧巻です。
タイムスリップという設定や結末の展開にややご都合主義的な側面は否めませんが、それを補って余りある俳優陣の熱演、美しい映像、そして物語が内包する力強いメッセージ性が、深い感動を生み出しているため、この評価としました。
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のその他情報
興行収入46億円を突破する大ヒットを記録し、2023年公開の邦画実写映画で第1位となりました。
第47回日本アカデミー賞では、福原遥が優秀主演女優賞、水上恒司が優秀助演男優賞と新人俳優賞、伊藤健太郎が優秀助演男優賞を受賞するなど、興行的にも批評的にも大きな成功を収めました。


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