こんにちは、母さん (2023) ネタバレあらすじ紹介

作品情報

キャスト

こんにちは、母さんのあらすじ紹介

【起】こんにちは、母さん

大企業の人事部長としてリストラ面談に心を病み、家庭では妻や大学生の娘・舞との関係も冷え切っている神崎昭夫は、気晴らしに実家である東京下町の足袋屋を訪れます。
しかし、彼を迎えたのは、いつもと違う明るい髪色でお洒落を楽しむ母・福江の姿でした。
いつもは割烹着で迎えてくれた母の変化に昭夫は戸惑いを隠せません。
福江はボランティア活動に生きがいを見出し、特にホームレス支援に熱心で、その中心人物である牧師の荻生と親しくしていました。
これまで自分の知っている「お母さん」像とはかけ離れた、一人の女性として人生を謳歌する福江の姿に、昭夫は取り残されたような寂しさと複雑な感情を抱くのでした。

【承】こんにちは、母さん

母・福江と荻生牧師の親密な様子を目の当たりにした昭夫は、母が恋をしているのではないかと疑念を抱きます。
父が亡くなって以来、女手一つで自分を育て、店を守ってきた母が、自分に何の相談もなく新しい人生を歩もうとしていることに、昭夫は息子として割り切れない思いを募らせていきます。
彼は母の行動を逐一気にするようになり、荻生牧師に対しては嫉妬と敵意をむき出しにします。
一方で、家出をして祖母の家に転がり込んできた娘の舞は、祖母の恋に肯定的で、むしろ応援する素振りを見せます。
世代間の価値観の違いも浮き彫りになる中、昭夫の勘違いはエスカレートし、母子の間には気まずい空気が流れていきます。

【転】こんにちは、母さん

ついに昭夫は福江に恋の事実を問い詰めます。
すると福江は、あっさりと恋をしていることを認めました。
しかし、その相手は昭夫が疑っていた荻生牧師ではありませんでした。
福江が想いを寄せていたのは、かつて近所に住み、今はホームレスとなってしまった男性・井上だったのです。
彼女はボランティア活動を通して彼と再会し、人知れず彼を支え、想いを募らせていたのでした。
この衝撃の事実に、昭夫は自身の思い込みと、母を一人の人間としてではなく「自分の母親」という役割でしか見ていなかったことを痛感させられます。
母の純粋な恋心を知った昭夫は、自分の小ささを恥じ、深く反省するのでした。

【結】こんにちは、母さん

母の真実の恋を知った昭夫は、これまでの自分の態度を詫び、心から母の恋を応援することを決意します。
家族のわだかまりが解け、昭夫と福江、そして孫の舞との間には新たな絆が生まれます。
福江は心を込めて編んだセーターを井上に渡そうとしますが、彼は既にその場所から姿を消していました。
恋は成就しませんでしたが、福江の表情は晴れやかでした。
自分の気持ちに正直に生きたことで、息子との関係を修復し、人生の輝きを取り戻したからです。
母の姿に勇気をもらった昭夫もまた、会社での非情な仕事から距離を置き、冷え切っていた妻や娘との関係を再構築しようと一歩を踏み出します。
隅田川の花火を見上げる三世代の姿は、家族の再生と未来への希望を感じさせ、温かい余韻とともに物語は幕を閉じます。

こんにちは、母さんの感想

本作は、親もまた一人の人間であり、自分の人生を生きる権利があるという普遍的なテーマを、山田洋次監督ならではの温かい眼差しで描き出した秀作です。
隅田川沿いの下町の情景を美しく切り取った映像と、人々の心の機微を丁寧に描いた脚本が見事に調和していました。
特に、恋をして生き生きと輝く母を演じた吉永小百合さんの可憐さと、そんな母に戸惑い嫉妬する中年息子の悲哀と滑稽さを見事に体現した大泉洋さんの演技のアンサンブルは圧巻でした。
昭夫が母の恋の相手を勘違いしていたことが判明するシーンは、物語の大きな転換点であり、彼の表情の変化に強く引き込まれました。
観終わった後、家族の絆の尊さや、いくつになっても人生は輝かせることができるという希望に、心がじんわりと温かくなるような感動を覚えました。

こんにちは、母さんのおすすめ理由

山田洋次監督の真骨頂である人情ドラマの安定感と、吉永小百合、大泉洋という当代きっての名優のアンサンブルを高く評価しました。
「母の恋」というサスペンスフルな要素を巧みに取り入れながら、最終的には家族の再生という普遍的なテーマに帰着させる脚本が見事です。
観る者の心を温かくする力があり、特に親世代、子世代それぞれの立場から共感できる点が多いです。
ただし、物語の結末がある程度予測できる予定調和な側面も感じられたため、満点ではなく4.2点の評価としました。

こんにちは、母さんのその他情報

第47回日本アカデミー賞にて、吉永小百合が優秀主演女優賞、大泉洋が優秀主演男優賞、永野芽郁が優秀助演女優賞を受賞するなど、キャストの演技が非常に高く評価されました。
また、興行収入も11億円を超えるヒットを記録し、評論家だけでなく一般の観客からも幅広い支持を集めた作品です。

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