作品情報
キャスト
ジョーズのあらすじ紹介
【起】ジョーズ
アメリカ東海岸の平和な海辺の町アミティ島は、夏の観光シーズンを目前に控えていました。
ある早朝、若い女性の無残な遺体が浜辺で発見されます。
島の警察署長であるマーティン・ブロディは、検死結果からサメの襲撃によるものと断定し、即座にビーチの閉鎖を市長のラリー・ヴォーンに進言します。
しかし、ヴォーン市長は、観光収入が島の生命線であることから、サメの存在が公になることによる経済的打撃を恐れ、ブロディの訴えを退けます。
市長は、犠牲者の死因をプロペラ事故として処理するよう圧力をかけ、ブロディは良心の呵責と職務の間で板挟みになります。
こうして、島の指導者たちの利益優先の姿勢が、後に起こる未曾有の悲劇の引き金となっていくのでした。
【承】ジョーズ
ブロディの懸念を無視してビーチは解放され、案の定、海水浴客で賑わう中で少年が巨大ザメに襲われ死亡する第二の悲劇が発生します。
息子の死を目の当たりにした母親がブロディを責め立て、事態はついに隠しきれないものとなりました。
市長は渋々サメに賞金をかけますが、これに色めき立った腕自慢のアマチュアハンターたちが島に殺到し、事態は混乱を極めます。
やがて一匹のイタチザメが捕獲され、人々は安堵しますが、招かれた海洋学者のマット・フーパーは、犠牲者の傷口とサメの歯形が一致しないことから、真犯人はもっと巨大なホオジロザメだと警告します。
しかし、市長はフーパーの意見も無視して安全を宣言。
その直後、人々が見守る中でサメは再び現れ、新たな犠牲者を出してしまいます。
【転】ジョーズ
度重なる犠牲者の発生により、市長もついに巨大ザメの存在を認めざるを得なくなり、ブロディの提案を受け入れ、サメ退治の専門家である腕利きの漁師サム・クイントを雇うことを決意します。
こうして、海を恐れる警察署長ブロディ、インテリの海洋学者フーパー、そして歴戦の海の男クイントという、経歴も性格も全く異なる三人の男たちが、一隻の老朽化した漁船「オルカ号」に乗り込み、巨大ザメを仕留めるため危険な大海原へと旅立ちます。
当初は互いに反目し、いがみ合っていた三人ですが、神出鬼没の巨大ザメとの壮絶な死闘を繰り広げる中で、次第に奇妙な友情と連帯感を育んでいきます。
特に、かつて従軍したUSSインディアナポリス号の沈没事件で仲間たちがサメに食い殺された地獄を語るクイントの独白は、彼のサメへの深い憎悪の根源を明らかにし、彼らの戦いに悲壮な覚悟をもたらします。
【結】ジョーズ
巨大ザメとの戦いは最終局面に突入し、オルカ号は執拗な攻撃を受けて大破、沈没の危機に瀕します。
フーパーは特殊な檻に入って水中からサメを仕留めようと試みますが、規格外の大きさのサメは檻をいとも簡単に破壊。
フーパーは海底の岩陰に隠れて九死に一生を得ます。
一方、船上では、エンジンが故障し乗り込んできた巨大ザメによって、クイントが「さらばだ、スペインの女たち」と歌いながら無残に食い殺されるという壮絶な最期を遂げます。
たった一人、沈みゆく船のマストに取り残されたブロディは絶体絶命の窮地に立たされますが、サメの口に偶然挟まっていたフーパーの酸素ボンベに気づきます。
「笑え、畜生!」と叫びながらライフルでボンベを撃ち抜くと、巨大ザメは凄まじい爆発と共に木っ端微塵に吹き飛びました。
死闘の末に生き残ったブロディは、海面に姿を現したフーパーと再会し、船の残骸につかまりながら静けさを取り戻したアミティの海岸へと帰還するのでした。
ジョーズの感想
本作は単なるパニック映画の枠を超え、人間の傲慢さに対する自然の猛威という普遍的なテーマを見事に描き切った傑作です。
利益を優先し警告を無視する市長の姿は、現代社会への痛烈な皮肉としても機能しています。
何より特筆すべきは、スティーヴン・スピルバーグ監督の卓越した演出と、ジョン・ウィリアムズによる音楽の完璧な融合です。
撮影トラブルで機械のサメが動かなかったことを逆手に取り、サメの姿をなかなか見せないことで、あの有名なテーマ曲と共に「見えない恐怖」を観客の脳裏に植え付けた手法は天才的としか言いようがありません。
ロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス、そしてロバート・ショウが演じる三者三様の男たちのドラマも極めて濃密で、特にロバート・ショウがUSSインディアナポリス号の悲劇を語るシーンの鬼気迫る演技は圧巻です。
ブロディが初めてサメの巨体を目撃し「もっと大きな船が必要だ」と呟くシーンは、絶望とユーモアが同居した映画史に残る名場面です。
鑑賞中は終始心臓を鷲掴みにされるような緊張感に支配され、鑑賞後は深い安堵と共に、人間には到底抗えない自然への畏怖の念を強く抱きました。
ジョーズのおすすめ理由
パニック映画の金字塔であり、その後の映画製作に計り知れない影響を与えた歴史的重要性を加味しても、満点に近い評価が妥当です。
スピルバーグ監督による「見せない演出」とジョン・ウィリアムズの音楽が織りなす恐怖の相乗効果は、40年以上経った今でも全く色褪せません。
キャラクター造形、脚本、俳優の演技、どれを取っても一級品であり、特に後半の海上での三人の男たちのドラマと死闘は、映画的興奮の頂点と言えます。
わずかに減点したのは、現代の観客が観た場合に、クライマックスのサメの造形などに時代の流れを感じる可能性がある点ですが、それを補って余りある圧倒的な面白さと映画的発明に満ちた作品です。
ジョーズのその他情報
第48回アカデミー賞において、作曲賞、音響賞、編集賞の3部門を受賞。
興行収入面で空前の大ヒットを記録し、夏の超大作映画「ブロックバスター」という概念を確立した作品として知られています。
批評家からの評価も極めて高く、アメリカ映画協会(AFI)が選ぶ「アメリカ映画ベスト100」では常に上位にランクインするなど、映画史におけるマイルストーンとして不動の地位を築いています。
世界中の映画製作者や観客に影響を与え続ける、パニック映画の最高傑作です。


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