シン・ゴジラ:オルソ (2024) ネタバレあらすじ紹介

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シン・ゴジラ:オルソのあらすじ紹介

【起】シン・ゴジラ:オルソ

ヤシオリ作戦により凍結されたゴジラが東京駅に鎮座してから数年後、世界各国はゴジラの細胞サンプル「G細胞」を巡り熾烈な情報戦を繰り広げていました。
そんな中、凍結ゴジラの体内から微弱なエネルギー放射が検出され、巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)から国際ゴジラ研究機関「Gフォース」へ移籍した安田龍彦(高橋一生)は、ゴジラが内部で未知の進化を開始している可能性を指摘します。
国連ではゴジラへの核攻撃再開論が勢いを増し、日本政府は国際社会からの圧力に晒されます。
安田はゴジラの再活動は不可避と判断し、独自の対抗策「オルソプラン」を提唱しますが、巨大な官僚組織の中で彼の警告は黙殺され、水面下で静かに、しかし確実に、新たな危機が迫っていました。

【承】シン・ゴジラ:オルソ

G細胞を狙った某国工作員の破壊活動により、凍結ゴジラの冷却システムが一部損傷し、体内温度が僅かに上昇してしまいます。
これが引き金となり、ゴジラの体内から人型の小型群体「オルソ体」が複数分離・出現し、封鎖区域内で活動を開始しました。
オルソ体は高い知性と連携能力で自衛隊を翻弄し、一方的に殺戮を繰り返します。
花森防衛大臣(松坂桃李)率いる部隊は最新兵器をもってしても全く歯が立たず、首都は再び地獄絵図と化します。
安田の最悪の予測が現実となり、政府は大混乱に陥ります。
一方、生物学者の雨宮ひかり(満島ひかり)は、オルソ体がゴジラの自己修復機能と種の保存を担う分身体であるという仮説を立て、彼らが単なる破壊の化身ではない可能性を見出し、コミュニケーションを試みようとします。

【転】シン・ゴジラ:オルソ

雨宮の研究により、オルソ体が特定の電磁波に反応し、その行動目的が人類文明による環境汚染の「リセット」と、ゴジラという種が存続可能な新環境の構築であることが判明します。
彼らは地球環境の恒常性を維持しようとする、ゴジラ本体の巨大な意思の代行者だったのです。
この驚愕の事実を知った安田は、殲滅から共存へと方針を転換し、オルソ体の行動を制御する「オルソプラン改」を立案します。
それは、オルソ体が求める浄化エネルギーを人工的に供給することで彼らを誘導・無力化するという、前代未聞の作戦でした。
しかし、計画実行には世界中からG細胞研究のデータを集約し、国際的な協力体制を築く必要があり、核攻撃を主張するアメリカとの対立は決定的となります。
人類の未来を賭けた、時間との壮絶な外交戦が始まりました。

【結】シン・ゴジラ:オルソ

国連の緊急総会に立った安田は、「ゴジラは我々が生み出した厄災だが、オルソ体はその厄災から生まれた未来への可能性でもある」と演説し、各国の心を動かします。
かつて対立したカヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)の後押しもあり、奇跡的に国際協力体制が樹立され、矢口蘭堂(長谷川博己)が首相代理として最後の決断を下します。
日本各地のエネルギーを結集した巨大な「アーク施設」が完成し、オルソプラン改が実行されました。
オルソ体の群れはアーク施設に誘導されてエネルギーを吸収し、活動を停止して生命活動を維持したままの結晶体へと変化します。
ゴジラ本体も再度の安定した凍結状態に戻り、人類は束の間の平和を取り戻しました。
しかし安田は無数の結晶体を見つめ、「これは終わりではない、始まりだ」と呟きます。
ラストシーンでは、世界各地でオルソ結晶体が自然発生している様子が映し出され、ゴジラが地球の生態系に組み込まれたことを示唆して物語は幕を閉じます。

シン・ゴジラ:オルソの感想

「シン・ゴジラ」が「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」という構図で現代社会の脆弱性を鋭く描いた傑作であったのに対し、本作「シン・ゴジラ:オルソ」は、その先にある「人類と厄災の共存」という、さらに根源的で哲学的なテーマに挑んだ野心作です。
単なる続編ではなく、前作が提示した問いに対する一つの「解」を、よりSF的な思索を深める形で提示しています。
演出は前作のドキュメンタリータッチを踏襲しつつ、オルソ体との市街戦などエンターテイメント性も格段に向上しており、庵野総監督らしい情報量の洪水と、鶴巻監督によるスタイリッシュなアクションが見事に融合していました。
特に、無機質な会議室のシーンと、オルソ体が静かに人間を狩るシーンの対比は、恐怖と緊張感を極限まで高めています。
高橋一生さんが演じる安田の、クールさの中に宿る熱い信念と苦悩の表現は圧巻の一言で、彼の「我々は彼らと共存する道を探し続けなければならない」というラストのセリフは、本作のテーマを象徴する名言として心に深く刻まれました。
前作の絶望的な状況を乗り越えた先にある、終わりのない対話と模索の始まり。
鑑賞後、希望とも畏怖ともつかない、複雑で重厚な感情に包まれました。

シン・ゴジラ:オルソのおすすめ理由

前作「シン・ゴジラ」が打ち立てた金字塔を、安易な続編として消費することなく、全く新しい次元へと昇華させた点を最も高く評価します。
現実の政治や官僚機構への皮肉を込めた社会派ドラマとしての側面を維持しつつ、「厄災との共存」という普遍的かつ哲学的なテーマをSFの枠組みで見事に描き切った脚本は驚嘆に値します。
CGで描かれるオルソ体の不気味な美しさと、自衛隊との絶望的な戦闘シーンの映像的迫力、そして鷺巣詩郎氏による荘厳かつ不穏な音楽が完璧に調和し、唯一無二の鑑賞体験を生み出しています。
俳優陣の熱演も素晴らしく、特に主演の高橋一生は、知性と人間的葛藤を併せ持つ主人公像を完璧に体現していました。
単なるパニック映画に留まらない、観る者に深い思索を促す傑作です。

シン・ゴジラ:オルソのその他情報

第47回日本アカデミー賞にて、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀音楽賞など主要8部門を独占。
特にVFXの進化は高く評価され、最優秀美術賞、最優秀録音賞も受賞した。
海外の映画祭にも出品され、シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀特殊効果賞を受賞。
批評家からは「ゴジラ映画の新たな地平を切り開いた」「前作を超える知的な興奮」と絶賛される一方、一部の観客からは「エンタメ性が薄く難解すぎる」といった声も上がるなど、賛否両論を巻き起こし社会現象となった。

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