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新ポリス・ストーリー(字幕版)のあらすじ紹介
【起】新ポリス・ストーリー(字幕版)
香港警察の伝説的刑事チャン・クォックウィンは、その卓越した手腕で数々の難事件を解決してきました。
彼は若き精鋭チームを率いており、公私ともに順風満帆な日々を送っていました。
そんな中、覆面を被った5人組の強盗団「X-Gang」が出現します。
彼らは単なる金目当てではなく、警察を標的にした過激なゲームを楽しむかのように犯行を繰り返していました。
チャンは自信満々でチームと共にアジトである廃工場へ突入しますが、これは巧妙に仕掛けられた罠でした。
犯人グループは警察の動きを完全に把握しており、チャンの部下たちは次々と惨殺されてしまいます。
犯人たちは部下たちの命を人質に、チャンに屈辱的なゲームを強要し、最終的に部下全員が彼の目の前で命を落とすという、あまりにも凄惨な結末を迎えるのです。
【承】新ポリス・ストーリー(字幕版)
部下全員を失ったチャンは、深い絶望と罪悪感に苛まれ、警察を休職して酒に溺れる自堕落な生活を送るようになります。
恋人であるホーイーの献身的な支えも彼の心には届かず、彼は完全に生きる気力を失っていました。
そんな彼の前に、フランクと名乗る若者が現れます。
彼はチャンの新しい相棒だと名乗り、強引に彼の日常に介入してきます。
フランクはチャンを奮い立たせようと、あらゆる手段を講じます。
最初は鬱陶しがるチャンでしたが、フランクの真っ直ぐで諦めない姿勢に、少しずつ心を開き始めます。
フランクは独自にX-Gangの情報を集めており、彼らの次の犯行計画を示唆します。
チャンは過去のトラウマから事件に関わることを拒絶しますが、フランクの熱意と、犠牲になった部下たちへの贖罪の念から、再び立ち上がることを決意するのです。
【転】新ポリス・ストーリー(字幕版)
チャンとフランクは、X-Gangの正体に迫っていきます。
彼らの正体は、警察高官の息子たちで構成された、裕福ながらも親からの愛情に飢えた若者グループでした。
リーダーのジョーは特に父親への強い憎悪を抱いており、その歪んだ感情が過激な犯罪行為へと駆り立てていたのです。
チャンたちは犯人グループの一人を追い詰めますが、彼は警察に追われるプレッシャーから自殺してしまいます。
そして、ホーイーがジョーによって誘拐され、彼女の首には時限爆弾が仕掛けられてしまいます。
チャンはホーイーを救うため、ジョーが指定した香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターへと単身向かいます。
そこでは再び、ジョーによる命を賭けた非情なゲームが待っていました。
チャンは爆弾を解除するため、銃を分解し、再び組み立てるという極限状態の試練に挑むことになります。
フランクもまた、自分の正体を明かします。
彼は警察官ではなく、幼い頃にチャンに助けられた過去を持つ、ただの青年だったのです。
【結】新ポリス・ストーリー(字幕版)
チャンは驚異的な集中力で銃の組み立てを成功させ、ホーイーの爆弾解除に成功します。
追い詰められたジョーは、父親である警察高官の前で、自分の犯行の動機が父親への当てつけであったことを激しく告白します。
彼はわざと弾の入っていない銃をチャンに向け、警察に射殺されることを望みますが、チャンは彼を殺さず、生きて罪を償わせる道を選びます。
ジョーは逮捕され、事件はついに解決します。
全ての戦いを終えたチャンは、フランクに感謝を伝えます。
そして、フランクが持っていた、幼い頃にチャンからもらったクマのぬいぐるみのエピソードを通して、二人の間に確かな絆が生まれたことを確認します。
過去のトラウマを乗り越え、刑事としての誇りと人間性を取り戻したチャンは、ホーイーにプロポーズし、彼女はそれを受け入れます。
彼は再び光の中を歩き始め、物語は希望に満ちた結末を迎えるのです。
新ポリス・ストーリー(字幕版)の感想
本作は、単なるアクション映画の枠を超え、一人の人間の挫折と再生を描いた重厚な人間ドラマです。
テーマは「贖罪」。
部下を失った罪悪感に苛まれる男が、いかにして再び立ち上がるのかをシリアスに描いています。
特筆すべきは、CGを極力排した生身のアクション演出です。
特に二階建てバスの屋根から滑り落ちるシーンの壮絶さは、観る者の心臓を鷲掴みにします。
そして何より、主演ジャッキー・チェンの演技が圧巻です。
これまでのコミカルなイメージを完全に覆す、苦悩と悲壮感を全身で表現した彼の姿は、俳優としての新境地を見せつけました。
対するダニエル・ウーの狂気に満ちた悪役ぶりも素晴らしく、二人の対決は強烈な緊張感を生んでいます。
最も印象に残ったのは、ラストでチャンが仇敵ジョーを殺さず、「生きて罪を償え」と諭すシーンです。
暴力の連鎖を断ち切り、人間としての尊厳を取り戻す彼の姿に、深い感動とカタルシスを覚えました。
新ポリス・ストーリー(字幕版)のおすすめ理由
ジャッキー・チェンの新境地を開いたシリアスな演技と、従来のコミカルさを排した重厚なストーリーテリングを高く評価しました。
二階建てバスでの攻防やLEGOショップでの格闘など、命懸けのアクションシーンの迫力は健在で、観客を飽きさせません。
一方で、物語の根幹にある犯人グループの動機が「裕福な家庭への反発」という点でやや類型的に感じられ、深みに欠ける部分もあるため、満点には至りませんでした。
しかし、ジャッキー映画の枠を超え、心に響く傑作ドラマとして完成されている点は間違いなく、4.2点という評価は妥当だと考えます。
新ポリス・ストーリー(字幕版)のその他情報
第41回金馬奨において、最優秀主演男優賞(ジャッキー・チェン)、最優秀助演男優賞(ダニエル・ウー)、最優秀アクション設計賞など8部門にノミネートされ、ダニエル・ウーが見事、最優秀助演男優賞を受賞しました。
また、同映画祭で観客賞も受賞しており、批評家だけでなく観客からも高い支持を得た作品です。


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