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ソルトのあらすじ紹介
【起】ソルト
CIA諜報員のイヴリン・ソルトは、ロシアからの亡命者オルロフから、来るべき日にアメリカ大統領を暗殺するロシアの潜入スパイ「KA」の一員が彼女自身だと告発されます。
同僚たちが疑いの目を向ける中、拘束されそうになったソルトは、愛する夫マイクの身に危険が迫っていることを察知します。
彼女は驚異的な身体能力と機転でCIA本部から脱出を図り、同僚であるウィンターやピーボディらの追跡を振り切って姿を消します。
彼女のこの行動は、あたかも告発が真実であるかのように見え、CIA内の混乱は深まっていきます。
ソルトは一体何者なのか、味方なのか敵なのか、物語は冒頭から観客を大きな謎へと引きずり込みます。
【承】ソルト
街へ逃れたソルトは、スパイとして培ったスキルを駆使して追跡をかわし続けます。
金髪を黒髪に染め、別人になりすましながら、夫を誘拐したと思われるオルロフ一味の行方を追います。
その過程で、彼女がかつてロシアのスパイ養成施設で育った過去がフラッシュバックで描かれ、彼女が「KA」と呼ばれるスパイ計画に深く関わっていたことが示唆されます。
彼女の常人離れした行動は、彼女を追うピーボディにとってはスパイであることの証拠にしか見えませんでしたが、旧知の仲であるウィンターは彼女を庇おうとします。
しかし、ソルトの真の目的は依然として謎に包まれており、彼女の行動一つ一つが観客の憶測を呼び、物語のサスペンスを一層高めていきます。
【転】ソルト
ついにオルロフとその一味が潜むアジトにたどり着いたソルト。
しかし、そこで彼女を待っていたのは、捕らえられた夫マイクが目の前で殺害されるという残酷な現実でした。
悲しみに打ちひしがれるも、彼女は感情を押し殺し、冷徹なスパイとして「大統領の日(Day X)」計画の実行に加わります。
米副大統領の葬儀に潜入し、同行していたロシア大統領を狙撃、現場から逃走します。
その後、ホワイトハウスにいるウィンターに投降しますが、実はそのウィンターこそが同じロシアのスパイ「KA-12」であり、計画の真の黒幕でした。
彼の真の目的は、米大統領に核ミサイルを発射させ、イスラム諸国を壊滅させることだったのです。
ソルトは利用され、絶望的な状況に追い込まれます。
【結】ソルト
ウィンターの裏切りと真の目的を知ったソルトは、彼を止めるため、そして自らの正義を貫くために最後の戦いを決意します。
ホワイトハウスの地下深くにある大統領危機管理センターで、ウィンターは核発射シークエンスを開始させますが、ソルトが間一髪で突入し、壮絶な死闘を繰り広げます。
最終的にソルトは機転を利かせてウィンターを殺害し、核ミサイルの発射を阻止することに成功しました。
しかし、彼女はウィンター殺害の容疑者として拘束されます。
移送されるヘリの中で、唯一自分を信じようとしていたピーボディに対し、自分は他のKAスパイを狩るために行動していると告白します。
その言葉を信じたピーボディは、ソルトが川へ飛び込んで逃走するのを黙認します。
孤独な戦いを続けるソルトの姿を映し出し、物語は幕を閉じます。
ソルトの感想
誰を信じ、何を成すのかというアイデンティティの葛藤が、ノンストップアクションの連続の中で描かれる傑作です。
アンジェリーナ・ジョリーが演じるソルトの、人間離れした身体能力と、時折見せる人間的な脆さのギャップが魅力的でした。
特に、夫を目の前で殺され、悲しみを押し殺して復讐の鬼と化す彼女の表情の変化は圧巻の一言です。
高速道路でのトラックジャンプなど、CGに頼りすぎない生身のアクション演出は、観る者に強烈な興奮と緊張感を与えます。
二転三転する脚本は観客を最後まで翻弄し、ラストシーンでは彼女の孤独な戦いがまだ続くことを示唆し、深い余韻を残しました。
これは単なるアクション映画ではなく、一人の女性の壮絶な生き様を描いた人間ドラマでもあると感じました。
ソルトのおすすめ理由
主演のアンジェリーナ・ジョリーが見せる、体を張ったリアルなアクションと、観る者を惹きつけるカリスマ性が本作の最大の魅力です。
「彼女は本当にスパイなのか?」というサスペンスを最後まで持続させ、二転三転する予測不能なストーリー展開は、一瞬たりとも観客を飽きさせません。
アクション映画としての爽快感と、スパイ映画としての重厚なサスペンスを見事に両立させている点を高く評価しました。
ただし、一部のアクションシーンに現実離れした描写が見られる点や、設定にやや説明不足な部分が感じられる点を考慮し、満点ではなく4.2点としました。
ソルトのその他情報
第83回アカデミー賞で録音賞にノミネートされたほか、サターン賞ではアクション/アドベンチャー映画賞や主演女優賞にノミネートされるなど、技術面や演技面で評価を受けました。
興行的にも世界的な成功を収め、批評家からは特にアンジェリーナ・ジョリーのパワフルな演技と、キレのあるアクションシーケンスが絶賛されました。
続編製作の噂が長年絶えないことからも、その人気の高さがうかがえます。


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