母性 (2022) ネタバレあらすじ紹介

母性のあらすじ紹介
母性のあらすじ紹介 - Amazon

作品情報

キャスト

母性のあらすじ紹介

【起】母性

物語は、女子高生が自宅の庭で遺体で発見されるという衝撃的な事件から幕を開けます。
その女子高生・清佳(永野芽郁さん)の母であるルミ子(戸田恵梨香さん)は、幼い頃から実母(大地真央さん)を絶対的な存在として崇拝し、その愛情を得るために生きてきました。
娘の清佳が生まれても、ルミ子にとって清佳は実母に認めてもらうための道具であり、真の愛情を注ぐことができませんでした。

【承】母性

清佳は、ルミ子の母、つまり祖母(高畑淳子さん)からの愛情を受けて育ちますが、実の母であるルミ子からの愛を感じられずにいました。
ルミ子は実母の期待に応えようと必死になるあまり、清佳に対しては無関心に近い態度を取り続けます。
そして、ルミ子にとって絶対的な存在であった実母が亡くなると、ルミ子の精神は不安定になり、清佳への態度はさらに硬化していきます。

【転】母性

警察の捜査が進むにつれ、ルミ子と清佳の歪んだ母娘関係が明らかになっていきます。
「娘を愛することができなかった」と告白するルミ子。
一方、清佳は母からの愛を渇望し続けながらも、母の理想の娘にはなれず、また祖母からの過剰な期待にも苦しんでいたことが判明します。
物語は、母と娘、それぞれの視点から語られることで、事件の真相と二人の複雑な心情が徐々に浮き彫りになっていきます。

【結】母性

衝撃的なことに、清佳の死の真相は事故でした。
母であるルミ子に褒められたい一心で、母が大切にしていた庭の花を手入れしようとした際に、誤って転落してしまったのです。
娘の死の本当の理由を知ったルミ子は、ようやく娘への真の愛情に気づきますが、それはあまりにも遅すぎました。
彼女は、自身が受けてきた歪んだ「母性」の連鎖、そして娘に与えることができなかった「母性」の重みに打ちのめされるのでした。

母性の感想

この映画『母性』は、観る者の心に深く突き刺さる作品でした。
母と娘という最も近いはずの関係が、いかに複雑で、時に残酷なまでに歪んでしまうのかを、息をのむような緊張感で描き出しています。
戸田恵梨香さん演じるルミ子の、娘を愛したいのに愛せない苦悩と空虚さ、そして永野芽郁さん演じる清佳の、母の愛を求めながらも傷ついていく姿は、観ていて胸が締め付けられるようでした。
特に、ルミ子が実母から受け継いだ「母性」の形が、いかに彼女自身を縛り付け、そして娘である清佳を追い詰めていったのかという描写は、非常に考えさせられるものがあります。
「母性とは何か」という普遍的でありながらも難しいテーマに対し、ミステリーの要素を巧みに織り交ぜながら、観客に強烈な問いを投げかけてきます。
母親もまた、その母親からの愛情に飢えていたという負の連鎖の悲劇性には、言葉を失います。
ラストシーンで、ルミ子が初めて娘の存在の大きさに気づき、慟哭する場面は、この映画の持つテーマの重さと、救いのない現実を象徴しているようで、深く印象に残りました。
観終わった後も、登場人物たちの感情が心に残り続け、様々なことを考えさせられる、非常に力強い作品であったと評価いたします。

母性のあらすじ紹介
母性のあらすじ紹介 - Amazon

コメント

タイトルとURLをコピーしました