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バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3のあらすじ紹介
【起】バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
1955年に取り残されたマーティは、PART2のラストで雷に打たれたデロリアンと共にドクが1885年の西部開拓時代へ飛ばされてしまったことを知ります。
ドクが70年前にウェスタンユニオンに託した手紙を発見し、そこには彼が1885年で鍛冶屋として元気に暮らしており、デロリアンを隠した場所も記されていました。
ドクはマーティだけを1985年に帰還させ、自分は過去の時代に残ることを望んでいました。
しかし、その手紙を読んだ直後、マーティは偶然にも古い墓地でドクの墓石を発見してしまいます。
そこには「愛するエメット・ブラウン、ビュフォード・タネンに背後から撃たれ死亡。
1885年9月7日」と刻まれていました。
友人を見殺しにはできないと、マーティは1955年のドクの協力を得てデロリアンを修理し、ドクを救うため危険な西部時代へと旅立つことを決意するのです。
【承】バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
1885年のモニュメントバレーに到着したマーティでしたが、タイムスリップの直後にインディアンの騎馬隊や熊との遭遇、そして燃料タンクの破損という絶体絶命のトラブルに見舞われます。
ガソリンが手に入らないこの時代で、デロリアンは自走不能となってしまいました。
途方に暮れる中、彼は自身の高祖父であるアイルランド移民のシェイマス・マクフライとその妻マギーに出会い助けられます。
その後、ヒルバレーの町でビフの先祖である極悪非道なガンマン、ビュフォード・“マッドドッグ”・タネンに絡まれるも、間一髪のところを鍛冶屋として暮らすドクに救出されます。
再会を喜ぶ二人でしたが、マーティから自分が一週間後にタネンに殺される運命にあると聞かされたドクは驚愕します。
二人は未来へ帰還するため、蒸気機関車でデロリアンを押して時速88マイルまで加速させるという壮大かつ無謀な計画を立てるのでした。
【転】バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
未来へ帰る計画を進める中、ドクは崖から落ちそうになっていた女性教師クララ・クレイトンを救出します。
ジュール・ヴェルヌの小説を愛読し、科学に深い理解を示すクララに、ドクは運命的な出会いを感じ、瞬く間に恋に落ちてしまいます。
未来へ帰る使命と、クララへの愛情との間でドクの心は激しく揺れ動き、一時は1885年に残ることを決意するほどでした。
しかし、マーティの説得で未来へ帰ることを決めたドクは、クララに真実を告げられぬまま別れを切り出してしまいます。
深く傷ついたクララはドクを平手打ちし、彼の元を去ります。
一方で、臆病者と挑発されるとカッとなるマーティの性格的弱点をビュフォード・タネンに突かれ、ドクが殺されるはずだった日の朝に決闘の約束をしてしまいます。
ドクを救うために来たはずのマーティが、今度は自らの命を危険に晒すという皮肉な状況に陥ってしまうのです。
【結】バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
決闘の当日、マーティは1955年で見たクリント・イーストウッド主演の西部劇『荒野の用心棒』の一場面をヒントに、鉄のストーブの蓋をポンチョの下に仕込むという奇策でビュフォードの銃弾を防ぎます。
そして見事に彼を打ち負かし、逮捕させることでドクが殺される未来を完全に回避しました。
その後、二人は計画通りデロリアンを列車で押すために線路へと向かいます。
しかし、ドクの真意を知ったクララが後を追い、走行する列車に飛び乗ってきてしまいます。
計画は最終段階に入り、デロリアンは時速88マイルへと加速していきますが、クララが列車から落ちそうになるアクシデントが発生します。
マーティを未来へ送ることと、愛する人を救うことの究極の選択を迫られたドクは、マーティに未来を託し、自らはホバーボードでクララを救うために1885年に残ることを決断しました。
一人1985年に帰還したマーティの目の前でデロリアンは列車に衝突し大破。
全ての旅が終わったかと思われたその時、蒸気機関車を改造したタイムマシンに乗ったドクが、クララと二人の息子を連れて現れ、「未来は白紙だ」という言葉を残し、再び時空の彼方へ去っていくのでした。
バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3の感想
シリーズ三部作の掉尾を飾るにふさわしい、感動と希望に満ちた傑作です。
本作の核となるのは、単なるSFアドベンチャーを超えた「運命と選択」という普遍的なテーマです。
これまではマーティの成長物語でしたが、本作ではドクがクララと恋に落ち、人間的な葛藤を経て自らの未来を選択する姿が描かれ、物語に深い奥行きを与えています。
西部劇という新たな舞台設定とSFの見事な融合は、ロバート・ゼメキス監督の手腕の冴えを感じさせ、特に蒸気機関車でデロリアンを押すクライマックスの映像的スペクタクルと、アラン・シルヴェストリによる西部劇風のアレンジが施された音楽は圧巻の一言です。
恋に悩み、人間味あふれるドクを演じたクリストファー・ロイドの演技は素晴らしく、シリーズ最高の深みを見せてくれました。
個人的には、全ての冒険を終えたマーティの前に、ドクが家族と共にタイムマシン機関車で現れるラストシーンに胸が熱くなりました。
「君の未来はまだ決まっていない。
誰もがそうだ。
未来は自分で作るものだ」というドクのセリフは、シリーズ全体を貫くメッセージそのものであり、鑑賞後には大きな感動と、自分の未来を切り拓こうというポジティブな感情が湧き上がってきます。
バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3のおすすめ理由
シリーズ三部作の壮大な物語を見事に締めくくった完璧なフィナーレであること。
SF、コメディ、アドベンチャーという従来の要素に、西部劇とロマンスという新たなジャンルを巧みに融合させ、物語に深みと新鮮さをもたらした点。
これまでマーティの成長物語が中心だったのに対し、本作ではドクの人間的な魅力と葛藤に焦点を当てたことで、キャラクターの多面性が描かれ、シリーズ全体の厚みが増したこと。
伏線の回収や過去作へのオマージュも秀逸で、シリーズファンを唸らせる作り込みがされていること。
そして「未来は自分の手で作り上げるもの」という普遍的なメッセージが、感動的なラストシーンによって力強く示され、鑑賞後に爽やかな希望を与えてくれるため、高評価としました。
バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3のその他情報
1991年のサターン賞において、ビュフォード・タネンとビフ・タネンを演じたトーマス・F・ウィルソンが助演男優賞を、アラン・シルヴェストリが音楽賞を受賞しました。
世間の評価としては、三部作の完結編として非常に高く評価されており、特に西部劇という新しい舞台設定と、これまで科学一筋だったドクにロマンスという人間的な側面が描かれた点が好意的に受け止められました。
シリーズの中で最もハートウォーミングで感動的な作品であり、壮大な物語の締めくくりとして完璧であるという意見が多数を占めています。


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